“路上の伝説 vs “悪童”の
 ダークヒーロー同士が激突

3月17日の超緊急会見では、朝倉と平本がともに敗れれば「引退する」と公言。しかし、両者が登場した7月6日のイベント「FACE OFF」では、朝倉が引退宣言したのは変わらなかったが、平本は「俺、引退しないスからね」と負けたら引退宣言を撤回した。このように、早い段階から場外で舌戦を繰り広げてきた両者がリング上で交わる時がついにやってきた。2連敗中の朝倉だが、大一番で「何かをやってくれる」と期待させるお祭り男。一方の平本も、MMA6戦3勝と総合の経験不足かもしれないが、ルールは違えど昨年年末には朝倉を失神させたYA-MANに勝利した実力派だ。“路上の伝説”朝倉と“悪童”平本。ともにダークヒーローの2人が引退をかけた真夏の祭典は、果たしてどちらに軍配が上がるのか。ファンにとっては手に汗握るファイトになること必至だ。

メインを張る朝倉が、キックボクシングからMMAに転身した平本蓮と対戦する。2012年MMAデビューを果たした朝倉は、“不良格闘技”のTHE OUTSIDERで名を上げ、2018年8月からUFCに参戦。矢地祐介に完勝するなどデビューから7連勝を飾るとともに、Youtuberとしても人気を博し、一躍時の人となった。その後は2022年9月の超RIZINではプロ50戦50勝のまま引退したボクシング元世界5階級王者のフロイド・メイウェザーと対戦し、その名を世界に広めた。しかし、2023年7月にヴガール・ケラモフに敗れた朝倉は、同年11月にはキックボクシングルールとはいえYA-MANにも敗れ2連敗中。8か月ぶりの復帰戦となる平本戦では引退をかけると公言しており、その本気度がうかがえる。
対する平本は、2015年にキックボクシングでプロデビューした26歳。K-1のリングなどで活躍し、2017年にはK-1ライト級世界トーナメント準決勝で、タイで100戦以上こなした経験豊富な「日本人キラー」ゴンナパー・ウィラサクレックを破る大金星を挙げ、準優勝に輝いた。19年にはBELLATOR JAPANに電撃参戦するなど研鑽を積み、その後はMMAに転向を表明。2020年年末にはMMAデビュー戦を果たすも、試合前から舌戦を繰り広げていた萩原京平に対して悔しいTKO負け。しかし渡米してMMAを学ぶなど実力をメキメキとつけ、23年大みそかに行われたRIZIN.45のYA-MAN戦では、フルラウンドの死闘の末に3-0で判定勝ちを収め、確かな成長を示した。
この対戦は、朝倉と平本のキャリアの中でも重要な節目となるだろう。朝倉は、過去の栄光を取り戻し、再び勝利の道を歩むための大切な試合である。引退をかけたこの一戦で、彼がどのようなパフォーマンスを見せるのか注目されている。一方、平本にとっても、この試合は自身のMMAキャリアを確立し、さらなる高みを目指すための絶好の機会だ。これまでの経験と成長を活かし、朝倉という強敵を倒すことで、彼の名をさらに高めることができるだろう。
この試合の結果次第で、両選手の未来は大きく変わる可能性がある。朝倉が勝利すれば、再びトップファイターとしての地位を確立し、さらなる挑戦へと進むだろう。平本が勝利すれば、彼のMMA選手としての評価は飛躍的に上がり、新たなスターとしての道が開かれるだろう。
ファンやメディアの注目が集まるこの一戦は、間違いなく2024年の格闘技界におけるハイライトの一つとなる。両選手がどのような戦略を練り、どのように戦うのか、そして結果がどのようになるのか、すべてが見逃せないポイントだ。試合当日、リング上で繰り広げられるドラマを、多くのファンが心待ちにしている。